探偵事務所を選ぶとき、多くの人が「大手だから安心」「口コミが良いから」といった基準で判断します。しかし警察庁が公表する統計を見ると、探偵業界の実態はもう少し複雑です。この記事では公的データをもとに、業者選びで本当に確認すべきポイントを解説します。
全国の探偵業者は7,354件(令和7年)
警察庁生活安全局「令和7年中における探偵業の概況」によると、令和7年末時点の探偵業の届出数(営業所数)は7,354件で、前年から256件増えています。内訳は個人5,293件、法人2,061件です。
| 項目 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|
| 届出数(営業所数) | 7,027 | 7,098 | 7,354 |
| うち個人 | 5,113 | 5,142 | 5,293 |
| うち法人 | 1,914 | 1,956 | 2,061 |
2008年の届出数は4,439件でしたから、17年で約1.66倍に増えた計算になります。
年間783件が新規参入、527件が廃止
注目すべきは入れ替わりの激しさです。令和7年の1年間で、新規届出が783件あった一方、廃止届出も527件出ています。
つまり毎年、全体の1割前後が入れ替わっている業界だということです。「長く続いている事務所か」を確認する意味は、ここにあります。
年19件の行政処分——契約書面を渡さない業者が実在する
ここが最も重要なデータです。令和7年中、探偵業者に対して19件の指示処分が出されています(営業停止命令・営業廃止命令は0件)。
指示処分の主な内容は次のとおりです。
- 変更届出書等の虚偽 —— 4件
- 書面交付違反 —— 4件
- 実施原則違反 —— 2件
- 書面受理違反 —— 2件
- 教育義務違反 —— 2件
- 業務に関し他法令違反 —— 2件
- 標識掲示違反 —— 1件
探偵業法では、契約前の重要事項説明と書面の交付が義務付けられています。その義務に違反して処分された業者が、年間で複数件あるということです。「書面をくれない」「口約束で契約を迫る」業者は、法律違反をしている可能性があります。
探偵業者自身が違法行為で検挙されている
さらに見過ごせないのが、同資料の次の記述です。
令和7年中に探偵業者または探偵業従事者が、探偵業務に関して他の法令に違反して検挙された事例として、次が挙げられています。
- 軽犯罪法違反
- ストーカー規制法違反
- 建造物侵入 など
また探偵業法違反そのものでも2件4人が検挙されており、その中には無届けでの営業も含まれます。
つまり、違法な手段で調査を行う業者、そもそも届出をしていない業者が実在するということです。依頼者にとっては、そうした業者に依頼してしまうと、違法に収集された証拠が裁判で使えないばかりか、依頼者自身がトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
データから導かれる、確認すべき3つのこと
1. 探偵業届出番号を確認する
無届け営業で検挙された事例がある以上、これは必須です。届出番号は営業所に掲示する義務があり、公式サイトにも記載されているのが通常です。記載がない業者は候補から外してください。
2. 契約前に書面を受け取れるか確認する
書面交付違反・書面受理違反で処分された業者が年に複数件ある以上、「書面をきちんと出すか」は実効性のある判別基準です。重要事項説明書と契約書、両方を必ず確認しましょう。
3. 調査手法について説明を求める
ストーカー規制法違反で検挙された事例があることを踏まえ、「どのような方法で調査するのか」を事前に確認してください。GPSの無断設置など違法性のある手法を示唆する業者は避けるべきです。
まとめ
探偵業者は7,354件と数が多く、毎年1割前後が入れ替わっています。そのなかには行政処分を受ける業者や、違法行為で検挙される業者も実在します。
だからこそ「届出番号」「契約書面」「調査手法」の3点を確認することが、感覚的な口コミよりも確実な判断基準になります。具体的な事務所の比較は探偵事務所おすすめ比較ランキング、依頼の流れは7ステップの記事をご覧ください。
出典
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